認知症がありそうと思ったら

GIM

入院患者などで認知機能低下を疑うことがあると思います。ベッドサイドで簡便に評価できる方法やポイントを解説します。

・病歴を確認する
どのくらいからの症状なのか
できなくなったことを確認する(物忘れが増えた、日付や場所の見当識、食事や薬を飲んだことを忘れる、同じ話を繰り返す、迷子になる、被害妄想、歩行がゆっくりになった、着替えや入浴ができなくなった、買い物に行かなくなった)
具体的なエピソードで慢性経過+緩徐進行性であることを確認する

・Mini-Cogをやってみる
簡単な見当識を確認して認知症かもと思ったらMini-Cogをやってみる
さくら/ねこ/でんしゃ→文字盤と針を書いてもらう(10時10分)→遅延再生
MMSEなどと比較して感度99%であり3分でできるメリットがある

・病型を考える
臨床で出会う認知症は8割がアルツハイマー型認知症でありまずそれを考える
次にLevyではないかと考える
脳血管認知症は思っているよりかなり少ない、前頭側頭型認知症に関してはほぼいない

ADらしさ:
短期記憶障害(前向性健忘)と見当識障害(時間-場所-人の順番で障害)が前面に出る
長谷川のどれができないのかというところが大切
時計はかけるけど見当識や遅延再生が全くダメというのはADっぽい

Levyらしさ:
パーキンソニズムがあればそれらしいが認めないこともある
視空間認知(後頭葉)の障害が特徴で時計やペンタゴンがうまく描けない
REM睡眠行動異常、幻覚、転倒などの病歴を聴取する
幻覚はcomplexなものでせん妄に類似する(顔はない)

・treatbale dimentiaではないか
慢性硬膜下血腫、水頭症、VitB12欠乏、werncke脳症、神経梅毒、甲状腺機能低下など
うつ病ではないか(認知機能低下の自覚を訴える)

・認知症を入院中に評価するメリット
病名をつけて介護サービスを入れたり社会的な側面でメリットがある

・退院後にフォローする
入院中というのは特殊な環境でありせん妄的な要素はどうしてもありうる
それで認知症として運転しないでと言ってしまったけど退院後にはすっかり別人によくなるという人もいる

参考文献:
Int.J.Geriatr.Psychiatry 15,1021-1027(2000).
Hospitalist 10巻 1号 身体所見、Hospitalist 7巻 1号 外来マネジメント

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