NEJMでreviewがあったので読んでみました
●背景
2009年に日本から報告された、耳(ラテン語でauris)から出たらしい
重要な特徴として、
① 皮膚や環境に付着し生き延びることで、医療施設などでのアウトブレイクを起こしうる
② 抗真菌薬への耐性傾向が強く、侵襲性感染症の死亡率が高い
→CDCやWHOからやばい微生物認定されている
全ゲノム解析で6つの分岐群に分けられ、日本はEast Asian clade(Ⅱ)がメイン
通常のCandidaとリスクファクターは同様
C.albicansやglabrataは腸管にcolonizationすることが一般的だが、C.aurisは鼻腔や皮膚(腋窩や鼠径など)にいる
→口腔-食道カンジダ、膣カンジダなどの粘膜感染はC.aurisでは稀
●C.aurisの薬剤耐性
世界的にはcladeⅠ,Ⅲ,Ⅳが多剤耐性として問題となっている(日本はcladeⅡであり感受性良いことが多い)
フルコナ耐性:
cladeⅡを除く90%以上で耐性(ERG11、TAC1B変異)
エキノキャンディン耐性:
耐性は稀で5%に留まるが、治療中に耐性化してくることがあるので注意(FKS1変異)
アムホテリシンB耐性:
cladeⅠ,Ⅳの30%で耐性
●C.aurisの治療
エンピリック治療はミカファンギン(眼内炎チェック)
反応性がないならL-AMB
感受性良ければフルコナゾール
参考文献:
N Engl J Med 2024;391:1924-35.
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